パパサラリーマン、KONAへの挑戦

パパサラリーマンが育児をしながらトライアスロンで世界と戦うブログ

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IRONMAN Cairns(アイアンマン ケアンズ)レースレポート ラン編

バイク編はこちら

tktrytokona.hatenablog.com

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ケアンズのランコースは公園内を14km×3周。
完全にフラットであり応援も多く、時々木陰があるのは助かるが、折返しが多い。折返しは体力のロスにもなるが、ライバルとの位置関係を把握しやすいとも取れる。一方で3周回だとライバルがすぐ後ろなのか、1周差を付けているのか、終盤は疲れと暑さで思考もゴチャゴチャしてくる・・・。

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バイクも終わりに近づき、公園の横をのんびりサイクリング。
疲れと熱中症で28km/h程度しか出ていないしスローパンクで後輪はスリップし続けるし…

上位選手はもうランしてるよ…しかもクソ速い…

自分、こんな状態で走れるのか…?

 


一瞬、リタイアが頭をよぎる…

 


けれど、無理やり休みとって大金はたいて、さらにはセントレアのリレーのお誘いやソロでのみんなとの勝負も全てキャンセルしてきたケアンズ

 

なんとしても完走Tシャツとメダルを手に入れなければ、セントレアとの合同打ち上げに顔を出せない。

 

 

バイクの終了ゲートが見えたところで、自転車に乗りながら靴を脱ぎ、バイクから飛び降り…

 

 

…ようとして左足に体重をかけた瞬間、脹脛から腿まで全部を一度につりかける((((;゚Д゚)))))))

ボランティアから見たらバイクから降りようとしたはずが、いきなり変な顔と変な動きをしたので、トライアスリートが変人というイメージが加速したことでしょう。。。

なんとかギリギリで回避し、バイクから降りた後はバイクをボランティアに預けてランバッグを取りに行く。
70.3は自分でラックにかけないといけないあたり、やはり参加料の違いか。金で時間を買う。(条件はみんな同じだけど)

 

帽子とサングラスを取り、ジェルと塩タブレットを補給したらトイレに寄ってからランへ。

前を行く日本人はキロ4分くらいで駆けてゆく…
いつもなら後をつくところだけど、すでにリタイアが頭をよぎるほどの私は4分半でいっぱいいっぱいw
まぁそれも3kmで終わってキロ5分になるわけですが

エイドのたびに歩きながら頭に水をかけ、コーラかスポーツドリンクを飲み、足に水をかけ、背中に大量の氷を入れて冷やす。

ひたすらそれを繰り返して、海沿いの公園1周14kmを回る。

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何箇所か折り返しがあるため、前や後ろとの距離差を確認できる。

 

 

8kmあたり、偶然目に入った人物。

 

 

ゼッケンネーム『駿斗』

 

 

っておい!自分と同じく漢字で名前書いちゃった人、同じエイジグループやん!(日本人スロット狙いのためチェック済み、出場者の中では一番速いと思っていた人)

とりあえずあの選手に追いつかなければコナはない。急いで折り返しまでの距離を測ると約450m。差は倍の900m。時間にして4分半

 

次の折り返しでも確認するが、距離は縮まらない。。。向こうもキロ5分らしい。
こういうペース計算と、「10km走る間に追いつくためにはキロ何分で走ればよいか?」などの計算は素早くできるようにしておいたほうが絶対に役に立つ。

 

とは言ってもペースを上げる余裕はないため、とりあえず2周終わるまで粘って、そこから余力見て上げる作戦。

 


2周目に入ったところ、すでに足がいろいろつりそう。
ピッチを上げてごまかしながら、折り返しで前との距離を確認…

 


あれ?いない?
エイドで水を飲んでる時にすれ違ったか…?

 

次の折り返しでも…いない。

 


その次の折り返しでも…いない。

 

さすがに4km以上差をつけられてるなんてことは無いはずなので、まさかリタイアした??

自分のペースもキロ5分半くらいに落ち込みながら、とりあえずゴールを目指してkeep going。 

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3周目に入る頃には日も沈みかけ、だいぶ涼しくなってきた。
あと1周でこの長旅も終わりか…

 

…感慨に浸りかけるけど、冷静に考えたらまだフルマラソンの28km地点。ここからが1番きついところじゃん。。。

激しくテンションを落としながら走り続ける。

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思い返せばここまで9時間、便利な乗り物があるどころか在宅勤務までできるようになりつつある21世紀に、ひたすら『食べる・飲む・前に進む』だけを原始的に続けてきた。


これからは草食系男子あらため、走食系男子と名乗ろうか…


そんなのんきなことを考えていたら、ふと折り返しで目に入るゼッケン。

 


『684』

 

あれ?自分が686で、確か682~685あたりまでは同じエイジグループの日本人だったよな…?
あいつって周回遅れ?同じ周回??

リストバンドの数で周回はわかるはずなのだが、暗くなっているのもあり数がよくわからない。

近いのは分かっていたが、残り4キロ。
もう気合と根性だけで走るしか無い距離。

後ろを気にしながら最後のエイドを通り過ぎ、ラスト1kmのアシックスゲートを通過。

 

視界の端に入る人影。

 

さっきの選手が横にいるやん((((;゚Д゚)))))))

とりあえずヘロヘロになってキロ6分近くで走っていようが、ゴール前で並ばれたら競ってしまうのがアスリート。

一気にキロ4切るペースに上げて、ゴールを目指す。

周回の分岐点では3つのシリコンリングを集めたことを確認され、ラスト100mのレッドカーペットへ。

 

長い長い旅の感動のゴール。

 

日本人サポーターも『たまにゴール前で猛ダッシュする人がいますが、せっかくなのでハイタッチしながらじっくり味わわないともったい無いです』って言ってた。

 


が!現状それどころではない。

 


ラストストレートに入った時に、視界の端にまた人影。

 


ってさっきと別のやつがもう1人増えとるやん((((;゚Д゚)))))))!?

 

そこからは3人でゴールスパート。

10時間も動いてきたのにみんな元気すぎだろ…

いつものようにゴールでジャンプする余裕はなかったものの、なんとか競り勝って先頭でゴールヽ(;▽;)ノ

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…でも直前にゴールした人がいて、ゴールテープすらなかったよ…(´・_・`)ちぇっ

隣の外人さん、「このJapanese、何こんなとこで猛ダッシュしてんだ?」的な目で見ている気もしますが、背後の2人のせいです・・・w

 

そしてゴール後、タオルとメダルをもらったら初めてそのまま救護所行き…笑

水と氷を貰って、しばらく休んで落ち着いたら写真撮影のあとアスリートエリアへ。

みんなガンガンとパスタやホットドッグ食っとる…そんな元気がなかった私はマッサージゾーンでぐったり。

ワーホリできてた日本人の女の子2人にマッサージをしてもらい、満足した私は…

 

そのままマッサージゾーンに完走タオルを置き忘れる←
京都マラソンのデジャブ。(ゴールエリアでGPSウォッチなくした)
さすがに急いで回収に行ったけど…

落ち着いたところでホットドッグ2本、パスタ1皿、フルーツ2皿、アイス2つとプロテイン2杯だけをとりあえずお腹に収める。

ラストのゴールが1番盛り上がる、と聞いていたから最後まで待とうかと思ったけど、ラストランナーまでまだ5時間。
友達も来ない、電波も入らない、おまけに汗冷えきて寒すぎるのに耐え切れず、ホテルへ帰宅。

電波が入ったところでエイジ別の順位確認をし…

 


スイムのローリングスタートの時間差により、逆転負けしていることに気付くorz(ゴールは10秒早くても、スタートが向こうのほうが3分半遅かったので、「競技時間」では負けていた、ってオチ)

テンションだだ下がりにより、最終ゴールを見るために出かける気分になれず、そのまま就寝してアイアンマン終了…Zzz

 

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優雅に朝食。

まぁダメ元で翌日のロールダウンには顔を出したけれど、やはり25~29男子は1枠、スロットは取れませんでした。残念

それ以上落ち込んでもしょうがないため、アワードパーティで呑んだくれ食べ続け。平日の昼間に芝生で食べるハンバーガーとビールの美味いこと←

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それにしても、表彰式のエイジ入賞はうらやましかったなぁ…いつか国際大会であちら側から見てみたい。
ついでに、ケアンズではエイジ1位はチャンピオンジャージも。このときは知らなかったけど、チャンピオンジャージを貰えるのはIRONMANの中でも大陸選手権だけなのかな?世界各地のIRONMAN大会入賞者の中でも特にレベルが高い人のみ入手できる

エイジトップになるには…9時間切ってゴールか…日本のアマチュアトップどころか日本人プロに近いレベルにならなあかん…

ラン:3時間38分40秒
1700人のうち145位

総合:10時間24分20秒
1700人のうち155位

【最後に】

最後に『行って良かったか?』について。

 

 

これについては、

ノータイムで『Yes!!!!』と、答えます。

単純な旅行として、トライアスロンの大会として、仕事の息抜きとして、非常に楽しいものでした。

飛行機・ホテル・エントリー・食事・観光で30万ウン万円、つまり月の手取り以上を1週間で使うという散財っぷりには賛否両論あるとは思いますが、働き始めて貯めたお金の何パーセントかを使って、違う国の文化に触れたり、会うはずのなかった人と趣味を介して知り合ったりするのは非常に価値のある経験だったと思います。

…英語力がもう少しあれば外国人の友達もできるんだろうけど!←

 


自分の中の価値観の1つとして大事にしているのが、

『1年間のうちに、何回一生記憶に残る1日を過ごすことができるか』

というものがあります。今回は間違いなくその1つになりました。

一生記憶に残る1日のために働くし、日々のきついトレーニングもする。

さて、次の『1日』はいつどこで過ごすのかな??

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